早期発見・的確な治療で、かゆみのない快適な毎日を

かゆみは“ただの皮膚トラブル”ではありません

皮膚トラブルの中でも「かゆみ」は、ワンちゃんの生活の質(QOL)を大きく低下させる症状のひとつです。

夜間もかゆみで眠れずにいたり、四六時中なめ続けたりと、日常生活や精神的ストレスにも大きな影響を与えます。

「そのうち治るかも」と様子を見ている間に、少しずつ悪化し、慢性化してしまうケースも少なくありません。

かゆみの原因はさまざまです

かゆみを引き起こす要因には、以下のように多くのものがあります。

  • アトピー性皮膚炎(アレルギー性)
  • 細菌やマラセチアなどの皮膚感染症
  • ノミやマダニ、皮膚寄生虫による皮膚炎
  • 内分泌疾患(ホルモンバランスの乱れ)
  • ストレスや誤ったスキンケア
  • 食事内容や環境中のアレルゲン

    など

このように、一つのかゆみに複数の要因が絡んでいることも多いため、的確な診断と継続的な管理が大切です。

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎は、遺伝的な体質と環境要因が関係する慢性的な皮膚病で、特に若齢期(~3歳頃)からのかゆみを特徴とします。

ハウスダスト、花粉、カビなどの環境アレルゲンが主な原因となり、耳や顔、脇、足先などをしきりにかく・なめる・こするなどの行動が見られます。

治療が遅れると、改善しにくくなることも・・・

かゆみが長く続くと、わんちゃんが皮膚を引っかいたりなめたりすることで、初期の赤み(紅斑)が厚く硬くなり(苔癬化)、黒ずむ(色素沈着)などの変化を生じることがあります。

このように皮膚の構造そのものが変化してしまうと、治療に対する反応が鈍くなり、元の状態に戻すまでに長い時間がかかるようになります。

しかし、初期段階であれば、生活環境やスキンケアの見直しだけで改善が見込めることもあります。

そのためにも、「いつもよりかゆそう」「耳をよく振る」「足をなめる」などの初期サインを見逃さず、早めの受診をおすすめしています。

紅斑
紅斑
苔癬化
色素沈着

当院で行っている治療の選択肢

当院では、症状の程度や年齢・体質・生活環境を考慮して、副作用と効果のバランスを見ながら治療プランをご提案しています。

経口薬(内服治療)

  • ステロイド剤:即効性があり、強いかゆみを素早く抑えます。短期間使用を基本とします。
  • シクロスポリン製剤:免疫の過剰反応を抑え、慢性管理に有効です。
  • JAK阻害剤(アポキル・ゼンレリア):副作用が少なく、安全性に配慮された新しい選択肢です。素早くかゆみを緩和し、継続もしやすい薬剤です。

注射薬(抗体医薬)

  • サイトポイント:かゆみを引き起こす物質にピンポイントで作用する抗体製剤。月1回の注射で長くかゆみを抑えられ、副作用も非常に少ないことが特徴です。

外用薬・スキンケア

  • 外用ステロイドや抗菌剤を局所的に使い、炎症や感染のある部分を直接ケアします。
  • 状態に応じたシャンプー剤や保湿剤の提案、洗い方の指導なども行います。

治療は「その子に合ったバランス」が大切です

アトピー性皮膚炎(治療前後)

すべてのわんちゃんに同じ治療法が合うわけではありません。

当院では、飼い主さまとの対話を大切にしながら、無理なく継続できるスキンケア・治療方針を一緒に作っていきます。

皮膚に合わせた
やさしいトリミングケアも行っています

皮膚トラブルを抱えるわんちゃんには、その子の皮膚の状態に応じた、やさしく丁寧なケアが必要になります。

当院では、獣医師の指導のもとで皮膚の状態を確認しながら行う「皮膚サポート・トリミング」を提供しています。

通常のトリミングサロンとは異なり、皮膚の炎症や乾燥、感染などの症状に配慮したシャンプー選びやケア方法を行える点が特徴です。

「最近かゆみが強い」「シャンプーで悪化しやすい」など、お肌がデリケートなわんちゃんのための特別なトリミングとしてご相談ください。

もっと知りたい方へ

「かゆみの原因ってなに?」
「新しい治療薬の効果や副作用が心配」
「他の治療と何が違うの?」

こうした疑問にお応えするために、かゆみに関する最新情報を紹介するサイト「犬のかゆ
み.com」をご案内しています。

詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

犬のかゆみ.com

かゆみや皮膚トラブルに悩むわんちゃんが、一日でも早く楽になるように、そしてより健康な皮膚に育てていくことが当院の目標です。

ちょっとした変化も見逃さず、気になることがあればいつでもご相談ください。

大美野動物病院

〒599-8126
大阪府堺市東区大美野159−8

駐車場完備/トリミング・ペットホテル完備

診療時間日祝
9:00 〜 12:00
16:00 〜 19:30
学会・研修などにより臨時休診となる場合があります。

072-230-1122

受付 9:00-12:00 / 16:00-19:30
(休診日:木曜日・年始)